藻川歩行者自転車専用道(尼崎)

2020年9月8日


尼崎市の東端は猪名川と藻川に囲まれた全周10㎞を超える大きな中洲になっている。この中洲の外周に総延長10㎞強の歩行者自転車専用道が整備されているらしい。出かけてみることにしよう。




阪急神戸線の園田駅からスタート。中州のなかにある唯一の駅になる。中洲の南端近くにあるので、最寄の堤防までは200mほどだ。



藻川の堤防。土手の上に未舗装の道が続く。さらに川のすぐ脇には舗装された堤防道がある。




藻川は尼崎市の北東部で猪名川から分岐した支流。5㎞ほど下流で再び猪名川に合流する。猪名川は神崎川を経て淀川へと流れ込む。淀川が一級河川なので、わずか5㎞しかない藻川も一級河川の扱いになっているようだ。



しばらく歩いていると、堤防道は早々となくなり、さらに土手道も道では無くなってきた。しかも草刈り作業の真っ最中で、作業のお邪魔をするような恰好で積み上げられた草わらや重機の横を通り抜けていく。



橋に差し掛かると土手は途切れ、階段で川のすぐ横まで下りて行かなければならない。これで自転車道って言えるのかなぁ…。まあ最近は階段や山道を好んで走るバイカーをしばしば見かけるので、要らぬ心配なのかもしれない。



藻川と猪名川の合流点までやってきた。意外にも水の濁りや汚れはあまり感じない。藻川という名前から想像していた水草の類もほとんど見られない。ここから先は猪名川に沿って川上へと歩いていく。



猪名川が主流のはずだけど、藻川ともさほど川幅は変わらないように思える。相変わらず陽射しを遮るものがほとんどない道を進んでいく。



「深夜の花火は止めて」との注意看板が随所に立てられている。確かに車も走らない川沿いの堤防は花火には絶好のポイントのようにも思えるけれど、川の内側には多くの住宅が並んでいる。夜中に花火で大騒ぎなどされては、たまったものではものではなかろう。



どうも歩行者自転車専用道とは銘打っているけれど、どうやら中州の南側の多くは整備途上になっているようで地図でも破線表記になっている。合流点から猪名川沿いに2㎞ほど歩いてきて、ようやく自転車・歩行者専用道らしくなってきた。



猪名川のすぐ西側は伊丹空港。滑走路に向かってANA機が着陸していく様子がよく見える。



しばらくすると、今度はJAL機がやってきた。コロナ禍で一時は大半の国内便が欠航していたけれど、かなり運航便数は戻ってきているようだ。もっとも機内にどれほどの搭乗客がいるのかは判らないが。



猪名川の対岸は豊中市。昨年豊中のウォーキングイベントで訪問した巨大なゴミ焼却施設が威容を誇っている。



木々の隙間から園田競馬場が見える。今日はレースが無いし、レースがあったとしても無観客のはずなんだけれど、場内の噴水が水を高々と噴き上げている。



しばらく歩くと競馬場の全景が見えるポイントもある。ここからならばレースの雰囲気も楽しめそうだ。もっとも競馬場の入場料って随分と安いはずだ。園田駅から無料バスが出ているし、馬券を購入せずに観戦するだけならひどく安上がりのレジャーだといえる。



競馬場の西側には厩舎がズラリと並んでいて、馬たちが部屋から首を出して餌を食べている。ざっと見たところ500頭分ほどもの厩舎が並んでいる。1階は馬小屋で、おそらく2階は厩務員などの住居のようだ。24時間付きっ切りで馬たちの世話をしているようだ。



対岸に弥生時代の集落であった田能遺跡の資料館が見える。どういうことか、対岸で田能遺跡のエリアだけが尼崎市になっている。



中洲の北側は歩行者・自転車専用道はしっかりと繋がってはいるけれど、舗装道であったり、地道であったり、あるいはアンツーカーであったり、統一された仕様とはなっていない。



中洲の最北部は尼崎市ではなく、伊丹市になるようで、護岸の雰囲気も少し変わってくる。土手には桜並木が整備されている。桜堤と呼ばれているようだ。



中洲の最北部、猪名川から藻川が分流するポイントにやってきたが、川辺の草が茂りすぎていて、分流ポイントがしっかりと確認することができない。



分流ポイントから再び藻川沿いに南下していく。「マムシ注意」の看板が多数見える。すぐそこが住宅地だというのに…。幸い今までマムシには出会ったことがない。いや出会っても気づかなかっただけで、実は結構アチコチに棲息しているのかもしれない。



猪名川・藻川に挟まれた中州付近は、昔から大規模な河川氾濫に見舞われてきた地域。全国各地で深刻な河川災害が発生しているなかで、藻川も要注意の河川らしい。水位センサーがかなり高いところまで設置されている。



藻川の南の彼方には、大阪のビル群が見える。



阪急電車の鉄橋が見えてきた。阪急の向こうに見える高架は新幹線だ。ゴールの園田駅はもうすぐそこだ。



藻川・猪名川で囲まれた中州外周歩きの総距離は約11㎞。先週までの猛暑に比べれば多少は凌ぎやすい日だった。