蛇谷北山&熊笹峠【六甲山系】

 2021年2月4日


これまで登ったことの無い蛇谷北山に向かう。蛇谷とは少々不気味な地名だし、人気の無さそうな山だけれど、六甲山の東隣に聳える芦屋市の最高峰を制覇したいと以前から考えていたところだ。まずは阪急芦屋川駅からの六甲登山王道ルートを進む。



駅から30分で高座の滝、そこから20分ほど掛けて芦屋ロックガーデンの岩を攀じ登る。もう何度も歩いているコースだ。併行して地獄谷や高座谷を歩く上級者向けコースがあるのだけれど、歩いてみようとも思わない。一般コースと言われるロックガーデンでも十分手強い。



延々と岩を攀じ登るように進んでいくのは大変だけれど、危険な方向に進むことがないように、岩肌に〇とか×とかのマークが施されている。赤いペンキでのマーキングは無粋だけれど、初心者も多い道なので、マーキングがくどいのも当然かもしれない。



風吹岩。以前は登るたびにイノシシに出会っていたのだけれど、たまたまだろうか、最近は見かけない。冬眠はしないはずなんだけれど今日も会えずじまい。ここに何匹も住み着いている猫も見当たらない。こんなことは初めてだ。天変地異の兆ってことは無いよねぇ…。



風吹岩を過ぎると、しばらくは勾配の緩やかな道が続く。いつものことだけれど、この区間で体力をかなり回復できるのだ。



ゴルフ場の中を通り抜けていく。コロナ禍のせいもあって、もう1年以上もゴルフをしていない。年に30ラウンド以上もしていたのに、さほどゴルフをしたいとも思わなくなった。いつの間にか山に登っている方が楽しくなってしまった。



雨ヶ峠までやってきた。2時間以上歩いてきてここで昼食休憩。ここから六甲山へ向かう道と分かれて。まず東おたふく山に向かう。



東おたふく山は、岩だらけの六甲山系のなかでは異色の、なだらかな草原のような風景が広がる。まるでゴルフ場のようでもある。



群生している笹を刈り取り、元のススキ草原を再生するプロジェクトが進行中らしい。ススキが笹に取って変わられた理由が山火事の減少というのだから山の生態系とは難しいものだ。草原の向こうには六甲山頂の自衛隊のアンテナ塔が見える。




東おたふく山を北へと下っていく。笹で覆われた道の向こうに目指す蛇谷北山の姿が見えてきた。



東おたふく山を下っていくとアチコチに霜柱が見られる。山の北斜面だけに日中ま霜柱が残っているのだろう。霜柱を見たのは何十年ぶりだろうか…。いつの間にか街中がコンクリートで覆われて霜柱が発生するようなところが無くなってしまった。



東おたふく山を北へと下り、いよいよ蛇谷北山へと登っていく。あまり登る人のいないというマイナー気味なルートなので少々不安ではあるけれど、しっかりとした標識が立っているのできっと大丈夫のはずだ。



道は狭くて勾配もキツく、多少荒れてはいるけれど、問題なく進んでいける。もっともどんな難所が待ち受けているかも分らず、緊張を緩めるわけにはいかない。



が、結局、さほどの難所もなく、標高840mの頂上に到着。笹に覆われた山頂に芦屋市が立てた山頂碑が立っている。歩き始めて休憩込みで3時間40分。思っていたよりも早めに到着できた。



蛇谷北山を北に下り、六甲山神社方面に向かう。再び北斜面なので、道は霜柱が覆われている。凍結と違って滑ることはない。子供のころを思い出してザクザクと霜柱を踏みながら道を進んでいく。



蛇谷北山を北に抜けて六甲山(むこやま)神社にやってきた。石の宝殿と呼ばれる石の祠が祀られている。



六甲山の山頂はすぐそこだけれど、熊笹峠方面へと歩いていくことにする。以前から気になっている道だ。ところが六甲山神社からの下り口には「道は険しく悪路、蛇が多い」との注意書がある。蛇は冬眠中だとは思うけれど、ここまで書かれてしまうと腰が引けてしまう。



結局迂回して車道を進むこととする。六甲全山縦走でも歩くところだ。あらためてコンクリートの舗装道の歩きやすさを痛感する。



宝塚へと向かう六甲全山縦走路との分岐点。「宝塚まで12㎞」の看板が朽ちて壊れている。神戸市内では六甲全山縦走路に多数の標識が設置されているのに対して、西宮市や宝塚市に入ると標識類は一気に減ってしまうのだ。



道の脇の崖に、結構大きなツララが見える。山頂部とはいえ、今日はおそらく5度くらいはあると思うのだけれど、溶けることはないようだ。



鉢巻山と宝殿橋の中間あたりに、熊笹峠を経て奥池へと下っていく「とかが尾山コース」の分岐点があるはずなんだけれど、ここだろうか。案内標識もなければ、路側のガードブロックで塞がれている。



ブロックを乗り越えて、YAMAPで現在位置を確認しながら「とかが尾山コース」らしき道を進むが、笹に覆われた道が続く。東おたふく山も蛇谷東山も笹ばかりだったけれど、ここの笹が一番力強く茂っているようだ。熊笹峠という名前どおりだ。



登ったり下りたりを繰り返しながら「とかが尾山コース」を進んでいく。芦屋から有馬へとつながる芦有自動車道が歩ければきっと楽だろうと思ったけれど、地図を見ると自動車道は急坂を回避しながら随分と遠回りしている。



笹と格闘しながら「とかが尾山コース」を歩くこと1時間ほど、ようやく目の前に奥池が現れた。歩き始めて5時間半以上が経っている。歩いて芦屋まで下りることをあっさり諦めてバス停に向かう。



本日の歩行軌跡。距離は10.3㎞、累積標高は1125m。あまり人気が無さそうな蛇谷北山や熊笹峠だけれど、思っていたよりもずっと歩きやすく楽しい道だった。