弥十郎ヶ嶽(丹波篠山市)

 2021年5月14日


本日のターゲットは丹波篠山市の弥十郎ヶ嶽。兵庫県の東端、大阪や京都との県境にも近く、大阪側から見れば北摂山系の最奥部となる秘境感が残る地域だ。



「篭坊温泉コース」の登山口にやってきたけれど、登山路と下山路を違う道にするため山の東側に回り込み、数件の小さな温泉宿が見える篭坊温泉街を横目に見ながら舗装道を歩いて後川新田にある「たんば農文塾コース」の登山口に向かう。



段々畑や茶畑が広がる里山セミナーハウスにもなっている農園のなかを通り抜けさせていただき、案内標識に導かれて登山口へと向かう。



鬱蒼とした杉林を登っていく。見た目以上に勾配がきつく、すぐ息があがってくる。



少々紛れのあるところもあるけれど、総じてよく整備された道が続く。とはいえ登り坂はうんざりとするほど延々と続く。早くも座り込んでしまい、そのまま山頂まで我慢するつもりだった昼食を摂る。



杉林の斜面の向こうから、気のせいか光が射しこんでいるような…。あそこが稜線だろうか。



杉林の坂を登り切って稜線にまでやってきた。この後は大した登りは無いはずだ。



稜線に入ると急に陽の光が差し込む明るい道になる。植生も広葉樹に変わり、上手い具合に登山道に日陰を作ってくれる。



先ほどまでの急坂でバテバテだったのが嘘のように、快適に山頂を目指して歩いていく。心地よい風が尾根を吹き抜ける。



軽いアップダウンを繰り返しながら、弥十郎ヶ嶽の前衛となるハハカベ山(661m)にやってきた。ハハカベとは波々伯部なのだろう。室町時代や戦国時代に丹波地方に勢力を有していた一族だ。



丹波の山にしてはゴツゴツした岩がほとんど見られない。たまに見られるとしても、尖ったものではなく丸みのある岩だ。行政区分では丹波だけれど、地質的には北摂の山系に属するのかもしれない。



道はよく整備されているけれど、岩が少ないので座り込むのに適当なは無いなぁ、と思っていたら、奇妙な形をした木が現れた。幹がぐにゃりと曲がって、斬新・奇抜なデザインの椅子のようだ。試しにちょっと腰を掛けてみたけれど、なかなかいい具合だ。



後川新田の登山口から110分で弥十郎ヶ嶽(715m)の山頂にやってきた。最初の急坂で早々に昼食休憩を摂ってしまったときには、一体いつになったら山頂に辿り着けるのかとも思っていたけれど、まずまずのペースでやってこれた。



山頂でようやく眺望が開けた。北東方面には多紀連山が連なっている。正面の尖った山が小金ヶ嶽、その左の高い山が御嶽だ。多紀連山には昨年苦労して登ったけれど、体力に自信がなくて、御嶽の左にある西ヶ嶽には行けなかった。暑くなるまでに登りたい山のひとつだ。



弥十郎ヶ嶽を一旦下って、弥十郎北峰(690m)の山頂っぽいとこころまでやってきたけれど、山頂碑も三角点も見当たらない。



来た道を戻って再び弥十郎ヶ嶽に向かう。山頂方向を示す矢印の下にあった「もうすぐ」の文字が消されている。個人的には「もうすぐ」には3分以内の到着を期待してしまう。5分以上掛かると「嘘つき」と思ってしまう。測ってみると矢印から頂上まで6分ほど掛かった。



弥十郎ヶ嶽に上る途中、山頂を避けるように歩いてきてしまった八上山(677m)のピークに立ち寄って、下山していく。



予定通り下山は篭坊温泉コース。



分岐点では荒れた道に見えたけれど、歩いていくうちに整備された道になっていく。



谷の底を縫うような道が続く。枯れ枝などが多いけれど、歩いていく支障にはならない。



谷はいつのまにか渓流となり、周囲は徐々に杉林になっていく。涼し気な下り道を快調に進み篭坊温泉へと下山する。



本日の歩行軌跡。距離9㎞、累積標高692m。



標高軌跡。登りに使ったたんば農文塾コースの方が急坂だったと思ったけれど、グラフを見る限り、下山路の篭坊温泉の勾配の方が厳しいようにも見える。やはり登り道の勾配はキツめに感じてしまうものだ。