舎羅林山(川西市)

 2021年5月22日


久しぶりの好天で山に出掛けたいところだけれど、激しい雨の後だけにどこで崩落や落石の心配があるか判らない。軽い登山に留めておくべきだと考えて、一昨年に能勢電鉄が開催したハイキングコースで川西市の低山、舎羅林山(264m)に出掛けることにする。



スタートは能勢電鉄の多田駅。能勢電鉄での乗降客数は3位というが、いたってシンプルな駅舎だ。



ちょっとコースを外れて昨日までの大雨の影響を確認するため猪名川の様子を見に行く。さすがにかなり増水はしていたけれど、心配していたほどでも無さそうだ。



西行法師の「音に聞く鼓が滝を打ちみれば、川辺に咲きし白百合の花」の歌碑がある。のせでんハイキングマップで挙げられている4つの見どころのひとつなんだけれど、歩道脇の緑地で草に埋もれているのが残念だ。古典落語でも有名な句だ。



鼓ヶ滝駅を越えて、45度くらいの斜めに架けられた能勢電鉄猪名川橋梁を見下しながら第二の見どころ?の横山峠に向かう。鼓ヶ滝ってどこだ?と長らく疑問に思ってきたのだけれど、昔は岩場のある急流を滝と呼んでいたらしく、この辺りの川全体が鼓ヶ滝だという。



住宅街の急坂をせっせと登ってきたが、どうやらこの辺りが横山峠らしい。能勢街道や吉田街道が行き交う峠のようだけど、案内板や石碑のようなものは見当たらない。



中山峠から高台の緑地を少し歩くと、急な下り階段が現れた。えぇ~、せっかく登ってきたのに、もう下るのかぁ? というより、どうしてこの道がハイキングコースに組み入れられているのかが判らない。1日のハイキングに相応しい距離を稼ぐための寄り道だろうか。



さんざん迷った末にようやく辿り着いた第三の見どころが九頭大明神。源満仲ゆかりの神社で、歯や目にご利益があるそうだけど、わざわざ寄り道するところかなぁ…。



最近開発されたのだろうか。たくさんの新しい家の建設されている鼓ヶ滝の住宅街を進んでいく。既に全行程の4割くらいを歩いてきたけれど、未だにハイキングらしい道にならない…。



住宅街の坂道を登っていくと、自動車進入禁止の道路標識が現れた。いよいよハイキング道に入るようだ。それにしても、この標識は正規のものだろか…。地面に直接設置された道路標識など見たことがない。



住宅街からさほど離れていないのだけれど、それを感じさせないようないい感じのハイキング道が続く。道も緑もよく整備されている。分岐点も何もないところだけれど、この辺りでようやくYAMAPの登山道(赤線ルート)が始まる。



快調に進んでいくが、舎羅林山はどこだろうか。標高264mとはいえ、それなりの山影が見えてもよさそうなものなんだけど。



路面は岩が露出しているところ以外は粘土質の土が多いようだ。水はけが悪く、昨日までの雨のせいで水溜まりが多い。



さほど急ではないとはいえ、坂をグングン登っていき、ケルンが積み上げられた舎羅林山の山頂に到着。道の分岐は多かったけれど、YAMAPのお陰で迷うことなく登ってこれた。



山頂で休憩していると、突如雨が降ってきた。雨雲レーダーを見ると大きな雨雲の南端にいることが判る。降りはかなり強いものになってきたので、頂上付近の大きな木の下で雨宿り。30分以上もスマホで詰将棋をして過ごす。



雨雲の通過を確認して、濡れた路面で滑らないよう気を付けながら平野駅方面へと下山していく。



山頂から少し下りたところにある岩場が絶好の展望ポイントになっている。北摂の山々が広く見渡せるところだというけれど、未だ雨雲が掛かっているところが多い。



下山路は快適ハイキング道。道を塞ぐ倒木が目立つのが気になるけれど、倒木を跨ぐことなく迂回する道ができている。



下山口のスペイン坂。正式名称なのか、通称なのかは知らないけれど、確かに南欧風とも見える家が並ぶ坂道だ。



平野駅までやってきて、のせでんハイキングコースは終了だけれど、ついでに駅前の目玉山にも登っておこう。おかしな山名で以前から気になっていた山だ。



駅から山の西側に回り込んだところに登山口がある。YAMAPが無ければ見過ごしてしまうような細い路地だ。どうやらこれは裏登山口らしい。



頂上への階段は先ほどまでの雨のせいで水が溜まり随分と歩きにくいことになっている。



もっともものの数分で頂上までやってきた。標高は僅か138m。頂上には小さな祠があるだけで頂上碑もなければ、目玉山という山名の由来を想像できるものもない。何故だか祠には錆びついたゴルフのサンドウェッジが1本立て掛けられている。



目玉山の表登山口に下り(こちらは頂上との間は2分くらい)、そのまま多田駅に戻る。途中、多太神社に立ち寄り、今日も無事歩き終えたお礼のお参りをする。



本日の歩行記録。途中思わぬ降雨があったうえに、距離8㎞、獲得標高400mと、山歩きとしてはちょっと物足りなかった。