通宝寺山(姫路市)

 2021年5月15日


15時頃から雨の予報のうえに、昨日に弥十郎ヶ嶽に登ったばかりで疲れも残っているけれど、明日からしばらく雨の日が続きそうだ。そこで標高319mと簡単に登れそうな通宝寺山の山塊を全山縦走すべく姫路市の「ゆめさきの森公園」にやってきた。



広い公園内にはいくつもの散策コースが設置されている。公園内の案内を見ると短いものは池を周回する25分コース、そして最も長いものが全山縦走コースで4時間もかかるというじゃぁないか。



4時間かぁ…、思っていたより大変そうだけれど、まあ雨が降るまでには歩き終えることができるだろう。整備された林道からは、この後もさほど厳しい道になるとも思えない、なんて考えながら、呑気に山に向かって進んでいく。



が、だんだん道は荒れてきて、険しいものになってきた。



九十九折になった急坂が延々と続く。どうやら一気に山稜まで登っていくようだ。休憩したい気持ちを抑えて、頑張って登り続ける。



ようやく山稜までやってきた。ここまでやってくれば楽に歩ける道が続くに違いない。



と思っていたら、延々と続く階段が現れた。やれやれ、でもこの階段を登りきれば、その後は平坦な道になるに違いない…。



が、階段を登り切って小高いピークを過ぎると、今度は激下りの階段が待ち構えている。「ラクダの背道」なんて名付けられているようだけど、こんなにたくさんコブのあるラクダなどいるはずがない。



で、階段を下りきると、再び登りの階段だ。こりゃぁ気楽な山稜歩きとは程遠い。かなりタフな山歩きになると、ここでようやく気付く。



ピークを過ぎると、再び下って、そして登っていくべき次のピークが目の前に現れてくる。何度この上り下りを繰り返せばいいのやら…。



昨日の疲れもあって、足取りはどんどん重くなてきた。しかも暑い。飲料をあまり持ってこなかったことが悔やまれる。周囲ではセミが鳴いている。ハルゼミだろうか。5月だというのに夏の山歩きのように汗ビッショリになってきた。



ピーク付近では眺望はあるものの、所詮標高300m前後なので、大した展望でもないし、隣に見えている山が何なのかもわからない。



ちょっとした岩場が現れた際、折り悪く携帯電話に入電。手摺りもあるのであまり危険とも思わず電話で話をしながら歩いていたのが良くなかった。岩の上で躓いて膝を思いっきり打ちつけてしまった。



膝の痛みに耐えながら、次のピークまでやってくると、「ゆめさきの森公園 最高地点(標高357m)」の案内板がある。えぇ~、最高点は通宝寺山ではないのかぁ? 最高ピークでありながら名前さえ付けられていないことに納得できない。



名前さえ付けられていない(山とさえ認められていない?)ピークを登ったり下ったりを何度も繰り返し、ようやく通宝寺山(319m)の山頂にやってきたが、「ラクダの背道」の標札があるだけで山頂碑もない。どうしてここが山塊の主峰として扱われているのだろうか。



通宝寺山の山頂でまだ全行程の半分くらい。既にかなり疲れてしまったうえに、転んだ際に打ち付けた膝が痛い。少し出血しているようだ。歩くのを止めてしまいたいと思いながらも、さらに尾根道を進んでいく。



小坪山の山頂に到着。通宝寺山塊で山名が付いた2つめのピークだが、ここの山頂にも「ラクダの背道」の標識があるだけ。頂上も他のピークと変わりなく、どうしてここが特別に山名が付いているのかが判らない。



小坪山からは下るばかり。激下りの坂ではと心配していたけれど、幸いさほどの急坂でもないようだ。



どうやらここが小坪山古墳のようだ。山の中腹にある横穴式の石室が開口している。案内板らしきものは老朽化して文字も絵も消えている。ネットで調べても十分な情報も得られず、古墳の年代さえ判らない…。



古墳からさらに杉林のなかを下っていく。膝の痛みがあるなかで頑張って歩いてきたけれど、もう少しで下山できそうだ。



下山口のイノシシ除けフェンス。昼間は通電されていないと書かれているけれど、露出部に触れないように注意深く電線を外しフェンスを開放する。



麓にある弥勒寺。書写山円教寺の奥の院となる由緒ある古刹のようで、日本一を誇る布袋像がある。見たところ5~6mほどの高さだ。危険個所で不注意で転んでしまったけれど軽傷で済み、無事下山できたことを感謝して手を合わせる。



2時間くらいの軽登山のつもりが、4時間以上かかってしまった。10㎞くらいは歩いたつもりでいたけれど、実際には距離6.3㎞、累積標高512m。



標高グラフを見ると、山稜までの急な登りに加えて、山稜もアップダウンの繰り返しだったことが判る。舐めてかかっていたけれど、かなり手強い山だった。