2022年4月28日
兵庫県下最大の湿原、丸山湿原に2年振りに出掛ける。既に午後2時になっているけれど、丸山湿原は後回しにして、まずは東大岩岳に登ることにする。山頂から見える千刈ダム湖が美しいハート型に見えると聞き、実際に確認してみたいと考えていたところなのだ。
決して悪路ではないけれど、ちょっと狭い道が続いている。補助ロープが張られた急坂もある。尾根ルートということだけれど、簡単に尾根に出れるという訳ではないようだ。
ようやく眺望が開けた尾根へと出る。右に見えるのが東大岩岳、左が大岩岳だ。2年前は西側の千狩ダムから大岩岳に登ったけれど、今回は逆の東方向からの登頂を目指す。
東大岩岳の頂上に近づくとピンク色のツツジが花を咲かせていて、花の香りで満ち溢れている。ミツバツツジだろうか。あまり土壌条件が良さそうにも見えない岩場の多い山でもしっかりと育つ品種のようだ。
ゆっくりと歩いて30分ほどで東大岩岳(365m)の山頂に到着。眼下の千狩ダム湖が確かにハート型に見える。新緑に囲まれて少し青みがかった浅葱色の湖面が優しく輝いている。でも見ているうちに、スーパーマーケットの鳩のマークのように見えてきたぞ。
もう少し角度を変えれば、より完全なハート型に見えるのではと思い、ちょっとおっかない馬の背を進み東大岩岳の先にある展望ポイントへと進む。
う~ん、微妙だ。ますます鳩のマークに見えてきたぞ。その後アチコチと場所を変えたり、岩に登ったり下りたりを繰り返したけれど、一度鳩に見えてしまったせいか、どうしてもハートに見えなくなってきた…。
まだ発芽して間もないような小さなツツジだけれど、立派な花を咲かせている。
今日は東大岩岳と丸山湿原だけのつもりだったので、かなり長い時間を東大岩岳で過ごしたけれど、気が変って隣の大岩岳にも登ってみることにする。東大岩岳を後にしてツツジが咲く急坂をくだっていく。
一旦下った後は、すぐに大岩岳山頂に向けての登り返しが待っている。
大岩岳山頂(384m)。千刈ダム側からはゴツゴツした岩場を攀じ登ってきた記憶があるけれど、東大岩岳からの縦走路では大した岩場にも出会うことなく登ってこれた。
大岩岳からは、散歩気分で新名神高速もよく見通せる眺望のよい尾根道を下っていく。ちょっと短いハイキングだったけれど、後は丸山湿原を通って帰ることにしよう。
などと、呑気に歩いてきたけれど、徐々に笹で覆われた厄介な道へと変わっていく。湿原が近いせいか、ところどころに小さな水路もあり油断すると足を踏み入れてしまいそうだ。
緑に囲まれた渓流に沿った気持ちの良さそうな道なんだけれど、厄介な虫が元気に飛び回っていて今年初めてのヘビにも出会う。3年ほど前から山歩きの頻度が増えた割には体力も技術も向上したという実感は全くない。でもヘビに慣れたことだけは確かだ。
ジメジメした森のなかを歩いていたつもりが、いつの間にやらザレた水気が感じられないところにいる。わずかな距離だというのに、気候も植生も全く違っているように感じる。
丸山湿原にやってきた。一見なんの変哲もない草っ原のようだけれど、湿原特有の希少な動植物が生息しているという。以前ここを訪れたときは、珍しいキノコを見つけて興奮した。きっと珍しい花などが見つかるような気がしてやってきたけれど見つけることができない。
自然への配慮か、ほとんど案内板がないところだけれど、唯一「とらない、踏み込まない、植え込まない」という非核三原則のような注意看板だけが目立つところに掲げられている。
湿地帯には、生息する動植物への影響を最小化させるための木道が設置されている。木道の向こうに、こんもりとした山が見える。丸山だ。ついでに登っていこう。
草が生えているだけに見えるけれど、良く見ると確かに湿地だ。湧水湿地だというが、淀んだ水ではなく、とても澄んだ水だ。
行きがけの駄賃のようなつもりで、丸山登頂に挑むが、先ほどまで歩いていた湿地帯とは全く異なる風景が広がる。斜面がザレていてとても歩きにくい。
まあ、こんなもんだろうとは思っていたけれど、丸山(324m)の山頂には眺望もない。小さな山頂プレートが掛かっていただけヨシとしよう。
丸山からの下山は来た道を戻るだけのはずなのに、お約束の道間違い。いつものことながら、すぐに道が判らなくなる。GPS無しでは超低山さえ登れない。
丸山湿原の出口(というより、ここがメインの入口)にある案内板の横には、「伝説の竹筒ポスト」なるものがある。丸山湿原の来訪者のカウントのため、来場者は看板右にある竹筒に小石を一つ入れることになっている。あまりに素朴な方法だけれど、いかにもエコだ。
距離5㎞弱、獲得標高400mを、3時間半かけてのブラブラ歩き。これくらいが今の体力にはお似合いなのかもしれない。