2019年12月22日(土)
過去の神戸電鉄などのハイキングの記録から西鈴蘭台から石井ダム、烏原貯水池などを巡るコースを歩いてみる。
スタート地点の神戸電鉄粟生線の西鈴蘭台駅。さほどひとつ東が鈴蘭台西口駅、その次が鈴蘭台駅と、わずか1km半ほどの間に類似の名前の駅が3つ続く。
西鈴蘭台駅から東へ、鈴蘭台駅方面に向かって歩いていく先に菊水山が見える。キツイ急坂で六甲縦走最大のハイライトと言われる山だ。
鈴蘭台駅の南側に神戸電鉄の車庫がある。山と線路に挟まれた使い勝手の悪そうな土地だけど車庫には十分。それに湊川、粟生、有馬の各方面からの路線が集結する鈴蘭台は車庫を設置するには最適な場所に思える。
車庫には整備工場も併設されていて、列車の整備や清掃が行われている。窓拭きだけでも大変な作業に思えるが、特に汚れやすい運転席の窓ガラス掃除は大変そうだ。
菊水山の山裾と線路の間の道を南に向かって歩いていく。
線路は菊水山のトンネルを抜けていくが、歩いていく道はトンネル入口の上を通って山を西側に迂回していく。
標識が悩ましい。石井ダムに向かう道が2つある。どちらの道を進むべきか・・・。手元にあるのはPCからプリントアウトした大雑把な道しか記載されていないハイキングマップだけだ。
何の根拠もなく、右の道を選んだが、10分ほど歩いた先に通行止のロープが現れた。いつも思うことなんだけど、この種の通行止が車両を対象にしているのか、歩行者も含まれるのかが不明なのだ。それに、通行止のロープを張るなら、道の分岐点にも注意書きを掲示しておいてもらいたいものだ。
分岐点に戻り、あらためて左の道を進んでいくと、水を湛えた石井ダムが見えてきた。新湊川水系の洪水対策として10年前に建設されたもの。膨大なコンクリートによるダムの自重で水圧に耐える重力式ダムだという。
石井ダムの堰堤。通称坊主ダムというゲートレスダム、どうやら先ほど通行止めになっていた道は、ダム湖の水際まで近づけるものだったようだ。ダムって、上から下から、表から裏から、様々な方向から見ると、全く異なった構造物の様相を見せてくるだけに、下からも見上げたかったものだ。
石井ダムの堰堤から下流側の下部に降りていく。一体何段あるのだろうか。20階建くらいのビルに相当するほどの高さから延々と階段を下りていく。
足がガクガクなるような思いで階段を下りきり、あらためてダムを振り返る。なんとまあ巨大な構築物なんだろうか。
石井ダムを過ぎ、川に沿った道を南に下っていく。このあたりで六甲縦走路と合流あるいは交差しているはずなのだが、以前歩いたはずの道をまるで思い出せない・・・。
とても気持ちのいい渓流沿いの道を進んでいく。上流に魁偉なまでに聳える石井ダム、下流には満々と水を湛えた烏原貯水池があるにも関わらず、その間にある渓流は昔からの自然がそのまま保たれているように感じる。
増大する神戸市の水需要に応えるために100年以上も前に建造された烏原貯水池の締切堰堤だろう。風格ある歴史遺産のように思えるが、特段の説明板もないのが不思議だ。
古くて厳めしい放水門もある。何だか秘密軍事基地のようにも見えるぞ。近年になってから無粋に設置された金属パイプが邪魔で仕方ない。
貯水池の周囲には、静かな遊歩道が設置されているのだけど、道と貯水池の間の木立が深く、意外にも池の風景を楽しめるところが少ない。
烏原貯水池の下流側には立ヶ畑ダムがある。明治の土木建築が、ビクともせずに神戸の人々の水瓶を守っていることに驚く。
取水塔の扁額には、「養而不窮」の揮毫が見られる。蓄えをしておけば困ることが無い、という意味だろうか。海外からの技術支援もあったのだろうか。ダム建設にかかわった人々の名前がアルファベットで刻まれている。
貯水池の東端までやってきて、ようやく木立にも逆光にも邪魔をされることなく貯水池の全体が見渡せるようになった。
あとは坂をダラダラと下って、神戸の市街地に下りていくだけ。
湊川駅の北側にある東山商店街。神戸には元気のある商店街が多いけど、年末も近づき、商店街の活気はいつも以上のようだ。
本日の歩行軌跡。鈴蘭台西口駅から新開地駅まで、およそ10kmといつもより短め。しかもほとんどが下り坂だったんだけど、結構疲れた・・・。
イベント枯れのこのシーズンに、毎年参加していた阪神・山陽・近鉄の3社沿線クイズ&スタンプラリーが今年は開催されないとのこと。長年続いているイベントで、結構な広告費も使っている割に、参加会社の力の入れ方が揃っていないように思う。この辺りでリセットするのも良かろう・・・。
しかし、例年は冬の休日のうち10日間を割いてきたイベントが無くなった穴埋めをどうするか、頭が痛い・・・。