栄~山田池ダム~つくはら湖~木津(神戸市)

2018年12月15日(土) ①


神戸市では「太陽と緑の道」というハイキングコースが設置されている。随分以前に設置されたもののようで、情報が少ないのだけれど、そのなかから長らく気になっていた山田池ダムに向かうコースを歩いてみることにする。



神戸電鉄粟生線に乗って栄駅(神戸市西区)へ。乗客数の減少で存亡の危機にあると言われるが、10年近く前に粟生線全線を歩き通すスタンプラリーに連続して参加して以来、粟生線には特別な思いを持ち続けている。

 


栄駅からサイクリング道を歩いて北に向かうはずが、いきなり道を間違えてしまったようだ。自転車で走るような道ではないが、とても快適に歩ける尾根道だ。まあ、方向は間違っていないはずなので、この道でも良かろう。



1~2kmほど歩いて、ようやくサイクリング道に出会う。もっとも路面は落ち葉に完全に覆われていて、これまで歩いてきたハイキング道と見た目はさほど変わらない。



落ち葉の無いところでは、アンツーカーの路面と自転車がデザインされたガードレールが施工さtれた立派なサイクリング道だ。自然とマッチしているようなしていないような色彩が多少気になるけれど、この種の道がほどよいクッションもあって最も歩きやすい。




つくはら湖。志染川を堰き止めたダム湖だ。このあたりは三木市と神戸市北区と西区の境界になっている。



 湖の向こう側に呑吐ダムが見える。「呑吐」という名前はいかにもこのダムのために造られた言葉のように思えるが、ダムができる前にあった「呑吐の滝」に由来するものらしい。「呑」と「吐」という二つの漢字だけでなく、「どんど」という読みも、壮大なダムに相応しいパンチ力が感じられる。



さあ山田池へ。これまでほとんど見かけなかった「太陽と緑の道」の標識が県道85号線沿いに見られる。



ソコソコの坂道だ。池に行くのにどうしてこんなに上り坂なのかなどと思いながら登っていく。



そして徐々にシダ類に覆われた鬱蒼としたエリアに突入していく。この道でいいのかぁ?



 県道から登り始めて20分くらいだろうか。 突如山田池が視界に入ってきた。そして、近代土木遺産として評価の高い山田池ダムの堰堤も見えてきた。実に美しいフォルムだ。




歩いてきたのとは別な道に設置されている柵に回り込んでみると、げげっ、私有地に付き立入禁止とある。ええ~っ、最近私有地になって立入禁止になっているらしい。しかし、ここまで歩いてきた道にはこのような立入禁止看板は無かったはずなのだ。間違った道を通った結果、知らぬうちに立入禁止区域に入り込んでいたようだ。



立入禁止区域と知り、悪いことをしているような気になり、どうも落ち着かないが、せっかくなので石積みの堰堤を少し観察させてもらう。



80mほどある堰堤の中央にある取水塔。こちらも渋い。



 もう何十年も動いていないのだろうが、ポンプやバルブ類が取水塔のなかで秘かに眠っている。



静かな森と美しい池のなかにある石造りの古いダム、多くの人が訪ねるちょっとした観光名所にもなりうるところだが、古い説明板がひとつ見られるだけだった。



池のまわりをもっと散策したかったけど、立入禁止区域と知ると長居はできず、早々に立ち退くこととする。最寄の道から池のエリアから脱出する。



池から20分ほど歩いたところに、立入禁止の柵が設置されていた。この道からやってきたなら、スゴスゴとUターンしただろう。それにしても、こんな素晴らしい美しい自然のなかの昭和初期の土木遺産を私有地のなかに閉じ込めてしまうのは、いかにも惜しい・・・。



山田池の南端まで行って神戸電鉄木津駅に向かうつもりだったけれど、立入禁止と知り池の北端をチョコっと見て戻ることになったので、ひどい遠回りをしなければならなくなった。広大なゴルフ場の外周を四分の三以上も迂回しなければならない。



電波塔が立つシブレ山。あの山の上を越していけば、ゴルフ場を避けながら木津駅までの近道になりそうにも見えるが、シブレ山から木津駅方面に向かう道があるのかが不明だ。お気楽ハイキングと割り切って山岳地図など持ってこなかった・・・。



 つくはら湖畔に戻り、歩道のない県道を進む。他にハイキングに適当な道があるのかもしれないが、予想を大きく超える距離を歩くことになり、また日暮れのことも考えれば、確実な道を行くしかない。



せっかくなので、つくはら湖の東岸にある箱木千年家に立ち寄ることにする。室町時代に建てられたという日本最古の住居。この2年間に2回訪問したが、いずれも閉館中。そして今日もまた開いていなかった。三度目の正直も成らなかった。縁が無いにも程があるぞ。



かなり歩いてから気づいたが、1年前に木津から箱木千年家を通って箕谷まで歩いたときと同じ道を逆に通って木津に向かう。この歳になると1年前のことさえ、記憶が怪しい・・・。貸農園が続く道をダラダラと下っていく。



山田池ダムから、休まず歩いたことで、日暮れまで少し時間を残して木津の町に辿りつくことができた。



本日の歩行経路。もともとは、4.5km地点あたりの山田池から、そのまま木津まで南下する予定だったのに、大きく迂回をする羽目になった。



立入禁止の私有地に入り込んでしまっただけに、この記事はボツにすべきかとも悩んだけれど、あまりに良い風景だったので惜しい。歩いた道に立入禁止柵は無く、意図的な侵入ではない、そうと知った後は早々に立ち去った、ということでご勘弁いただきたい。