2021年11月23日
多可町のなか・やちよの森公園に出かける。ゴルフコースの3つ分ほどはあろうかと思われる広大な公園には、山もあれば湖もあり、ハイキングコースも整備されているようだ。今日は黒木山や黎明湖、そして紅葉で名高い竹谷山渓谷など、広い園内を歩き回ってみたい。
竹谷山渓谷の入口からスタート。昨日の風雨で紅葉はあらかた散ってしまったのではないかと心配していたけれど、未だギリギリ残っているようだ。
四国八十八ヶ所の霊場を擬えた石仏が並ぶ緩やかな山道を登っていく。近年整備された公園とは思えない荘厳な雰囲気漂う山道だけれど、どうやらかつてこの辺りには古いお寺があったらしい。
しばらく進むと、さらに色鮮やかな紅葉が待っていた。枝を彩る紅葉も艶やかだが、地面を覆う散った紅葉もまた趣深い。まさに錦秋、と言いたいところだけれど、今日はひどく肌寒い。明らかに初冬の気温だ。
落葉して間もないと思われる紅葉の絨毯を踏みしめるように山道を進んで行く。なんだか罰当たりなことをしているような気になる。
紅葉が無くとも竹谷山渓谷に大小の滝が連なる渓流に沿って奇岩・巨岩も多い。紅葉シーズン以外でも四季折々の景観が楽しめそうなところだ。
竹谷山渓谷を出て、なか・やちよの森公園の「渓流の広場」から公園内の最高峰、黒木山へと向けて登っていく。YAMAPには登山路が掲載されていないのが、ちょっと不安だけれど、整備された道のようなので不安感はない。
杉林の中を進む登山路はなかなかの急坂。登り始めて間もなく息があがってくるし、汗も噴き出してくる。所詮は公園のなかの小山だと思ってお気楽に登るべき山ではない。
林業のことはよく判らないけれど、伐採した木がそのまま横倒しになって捨て置かれているように見える。山の斜面は縦と横の木が無数に並び、碁盤の目のようになっている。
15分ほど杉林のなかの坂道を登って、ようやく尾根道まで上がってきて黒木山の頂上が顔を見せる。この先は緩やかな道で黒木山まで登っていけそうだけれど、風が冷たく、急に汗冷えしてしまう。
標高393mの黒木山山頂。公園の西端となる翠明湖がよく見渡せる。北播磨では最大のダム湖で全周8㎞の美し周遊道路が整備されているらしい。一度歩いてみたいものだけれど、暖かくなってからだなぁ…。
黒木山から北へ尾根道を進むが、一旦黎明湖まで下ってみることにする。山道とはいえ、見晴らしは良く方向を間違うこともなさそうなうえに、しっかりとした道案内標識もある。
急な坂道を下っていくと、「この先岩場が続きます」との注意看板がある。何が出てくるのか、恐る恐る進んでいったけれど、大した岩場ではなく、無事下山。
ピノキオ像や公園事務所がある「湖畔の広場」。ビオトープや炊事場などの施設が集中してる。どうやら子供たちの自然学習、環境学習の拠点になっているようだ。
黎明湖。湖畔から見ると逆に湖の全貌が判り難い。公園の「湖畔の広場」から見えるのは湖の南側のごく一部でしかない。
湖畔からあらためて黒木山の尾根道へと登っていく。公園のイラストマップによれば「階段の道」と「緑の森散策道」の2つのオプションがあるようだ。緩やかそうな「緑の森散策道」を選ぶが登り口が判らない。それっぽい道を進むが、どんどん寂しくなり引き返す。
湖畔沿いの別の登り口っぽいところをピンクリボンに導かれて攀じ登っていくが、とても公園マップに示すような道とは思えない。結局再び「湖畔の広場」に戻って「階段の道」を行くことにする。
覚悟はしていたけれど、「階段の道」はその名のとおり、階段が延々と連なる直登の道。息切れで立ち止まったり座り込んだりすることのないマイペースを維持しながら、太腿が引き攣るような急坂を頑張って進んで行く。
長い長い階段を30分ほども登り続けて、やっとのことで尾根道までやってきた。ちょうど公園の真ん中に相当するところで、四方に道が伸びていることから、「山の交差点」の標識が立っている。
山の交差点から、さらに北へ、展望台に向かって進んで行く。展望台は高所にあるのかと思いきや、道は下るばかり。そのうちに険しい登り返しが現れるに違いない。
黎明湖を正面に眺めながら尾根を下っていく。展望台まで行かずとも、この景色で十分に思えてくる。