横尾山野路菊&馬の背【六甲山系】

 2021年11月26日


横尾山の中腹に「よこお野路菊の丘」というのがあって、ちょうど野路菊が見頃らしい。天気も良いので、チョコっと見に行ってみよう。ついでに横尾山にも登って、須磨アルプスの馬の背を歩く予定だ。



神戸地下鉄の妙法寺駅からスタート。高層住宅や大規模団地が林立しており、駅の両端をトンネルに挟まれた山の中の駅とは思えない。かつての山の大半は削り取られて、ポートアイランドなどの埋立に使われてしまったのだ。



住宅地が広がってはいるものの、今も山に囲まれた地域らしく、地下鉄の駅には「イノシシが出た!アライグマが出た!お困りのときはお電話ください」神戸の市街地では見かけない大きな看板が掛かっている。神戸市の鳥獣相談ダイヤルだ。



かなり手が込んだ4コマ漫画のポスターも駅前に貼られている。これも神戸市の鳥獣相談ダイヤルのものだ。近づかない!、エサをあげない!、すぐに知らせる!がイノシシ対策の基本らしい。かなり力が入った広報だけに相当な被害が出ていることが窺い知れる。



すっかり駅前の鳥獣対策ポスターに嵌ってしまったけれど、六甲全山縦走路の標識のある道を通って横尾山に向けて歩いていく。



途中から須磨アルプスの北の山裾にある「横尾道」との標識のある道に入る。野路菊の丘ってどこなんだろうか。現地に行けば何かの案内があると思っていたけれど見当たらない。記憶しているおおよその場所に向かって適当に歩いていく。



ちょっと遠回りはしたものの、ようやく横尾道の案内図があるところにやってきた。なるほど、こんな感じに道が繋がっていたのか…なんて、ようやく理解する。野路菊の丘も地図に記載されている。



進んで行くと、山肌に白っぽいところが見える。どうやらあれが野路菊の丘のようだ。



間もなく野路菊の丘に到着。花壇は小さなものだけれど、山の斜面に無数の野路菊が咲き誇っている。野路菊は兵庫県の県花。自生しているものも多いのだろうけれど、ここでは地元のボランティア団体が作り上げたもののようだ。



花の写真って、簡単なようで難しいものだ。スマホのカメラではうまくピントが合わないし、日が当たっているかいないかで、花の色も少し変わってみえる。よく見ると小さな野路菊の花もひとつひとつ特徴があり、どれを写せばいいのか悩んでしまう。



多くは白色の野路菊だけれど、黄色いものも見られる。去年は大塩の日笠山に野路菊を見に行ったけれど、気のせいかもしれないけれど、こちらの方が小ぶりなように思える。でも花の密集度は間違いなく日笠山を上回る。



野路菊を堪能し、横尾山へと登っていく。野路菊の丘から一本道なので迷うことはないけれど、思っていたより手強い岩の斜面が続く。そりゃまあ、400階段や文太郎道と同じようなところを同じだけ登るのだから、容易な道であろうはずがない。



野路菊の丘までのお気楽ウォーキングからのギアチェンジがなかなかできず、急斜面に四苦八苦しながら登っていく。



ひと息ついたところで、登ってきた斜面を振り返る。正面の大きな建物(学校)が、野路菊の丘への登り口だ。野路菊の丘までは緩やかな登りだったけれど、その後はほぼ直登の急坂だった



登ってきたところは六甲全山縦走路の横尾山の山頂の手前。何度も歩いているところだけれど、ここが分岐点になっているなんて全く気付かなかった。分岐点に立つ標識にも野路菊の丘への道は案内されていない。



しばらく歩くと横尾山(312m)の山頂に到着。良く晴れているうえに空気も乾燥しているようで、今日は神戸港方面の見晴らしが特にいい。



横尾山を過ぎると、間もなく須磨アルプスとも馬の背とも呼ばれる岩稜地帯へと入っていく。何度歩いても「このコースは風化がはげしく危険ですから注意して歩いてください」の看板あたりから気分が昂ってくる。



馬の背歩きには絶好の天気。初めて馬の背に来たと思われる女性グループや若者グループから絶え間なく歓声が沸き上がる。



いつも六甲縦走路を歩くときは馬の背はメインディッシュのような位置づけなんだけれど、今日は野路菊の丘とその後の急登を歩いた後だけに、クールダウン気分でのんびりと歩いていく。デザートのような位置づけだ。



写真を撮るには申し分のない天気なのだけれど、前を行くハイカーが入り込まないような写真を撮るチャンスはごく限られてしまう。



馬の背を歩き終えて、東山山頂(253m)。板宿に下りるか、妙法寺に戻るか、あるいは高取山まで足を伸ばすか…。



結局、妙法寺駅へと戻る道を選択。天気はいいけれど、あまり時間はない。正面に高取山が見えるけれど、またの機会に登ることにしよう。



妙法寺の下山口。意外に紅葉はまだ青い。



本日の歩行経路。距離4.4km、獲得標高320m。



わずか2時間ほどの手軽なハイキングだったけれど、横尾山への急登はなかなかのものだった。