2021年10月7日
虚空蔵山~八王子山・大谷山を縦走された方の話を聞き、無性に登りたくなってきた。昨年虚空蔵山には登った際には大谷山からの激下りがヤバそうなので無難に立杭に下山。今日は大谷山から虚空蔵山に向けて縦走してみよう。激下りより急登の方がよほど気楽だ。
JR福知山線の草野駅を相変わらず遅い12時半に出発。20分ほど歩いて登山口へと向かうが、どこから山に取りつくのかが判らない。YAMAPによればこの辺りのはず…と、まるで不審者のように民家の軒先などを見て回ったけれど、それっぽいところが見当たらない…。
やむなく入れそうなところから無理やり山に突入する。藪のなかを四苦八苦しながらYAMAPのルート方向へと進もうとするが、思った方向に進めない。
結局、藪のなかを蜘蛛の巣と闘いながら格闘すること、およそ20分でようやく本来の登山道にやってきた。登山開始早々に気力は半減しているというのに、容赦なく噂に聞く急斜面が目の前に現れた。
息を切らしながら登り続けると、大岩のクサリ場が現れた。とてもクサリに取りつく余力もなく、ここで大休憩。ふと見ると岩を迂回する巻き道があるようだ。つまらないプライドは捨てて、安直に巻き道を進んで行く。
大谷山に到着と思ったら、山上山という山だった。こんな山あったのか。地図でも見落としていたぞ。山頂には何故か390mと400mの違う標高が記された山頂碑がある。登山口からの標準タイムは35分というのに、1時間以上もかかってしまったぞ。しかもヘトヘトだ。
大谷山へと向かう尾根道からは、JR福知山線と舞鶴自動車道が見下ろせる。便利そうに見えるけれど、三田市と丹波篠山市の市境付近にあって、高速道路の出入り口が全く無い区間になっている。
木々の背は低く多くの小枝が狭い登山道にまで張り出している。そのせいで、帽子に取り付けたオニヤンマ君が小枝に絡めとられることが頻発する。歩きにくいことこの上ないけれど、予想以上に日射しもきついので帽子は必要だし、オニヤンマ君も取り外したくない。
山上山から少し歩いて大谷山(417m)に到着。山頂は広くなく、眺望もないけれど、とにかく疲れた。まだ全行程の3割も来ていないのに、ここで大休憩。えらいこっちゃ、水も足らないし、時間もないぞ。日暮れまでに下山できるのか怪しくなってきたぞ。
左奥に見えるのが、おそらく虚空蔵山だ。その前に八王子山をはじめ、いくつかのピークを越えて行かねばならない。既に14時半、日没は17時半。今日の足取りではヤバいぞ。
僅かながら急ぎ気味に八王子山に向かうが、どうも様子がおかしい…。なんだか危なっかしい道だなぁ…。
YAMAPのルート(赤線)を外れて全然違う方向に進んでいるではないか。よく見ると、赤いビックリマークがあり「道を間違いやすいので注意せよ」とあった…。悩んだけれど、そのまま南に突き進んでいく。危ないところが出てくれば戻って虚空蔵山は諦めて下山しよう。
幸い南へのトラバースは、大した難所に出会うことなく、無事東から八王子山頂に向かう登山道に合流できた。このような地図に破線さえない道を進んで、上手くいった試しはまずない。今日はただただツイていた、と思っておこう。繰り返すべきことではない。
ヤレヤレと思いながら、どうしてYAMAPの道外れアラームが作動しなかったのか、スマホの設定などを確認しようとすると、また間違っとるやないかい! なんでこうも道を外れてしまうのだ。我ながら情けない。
地図の標高線から予想されたとおり、八王子山へは随分な急登。ただでも時間も水も無いというのに、さらに追い打ちをかけるかのように厳しい道が続く。
八王子山(495m)。三等三角点があるだけで、な~んにも無い。時刻は15時20分。虚空蔵山までは標準タイムでも1時間15分、下山口までさらに55分、JR藍本駅まで30分。山の東麓に下りるので暗くなるのも早いはずだ。ヘッドライトはあるものの山道では使いたくない。
赤い実がアチコチに見られる。葉っぱの上に赤い実があるので千両かと思ったけれど、葉にギザギザがない。Google Lensでは有毒植物で有名なミヤマシキミと出るけど、季節がちょっと違うようにも思う。正解が判らないものだから全然花の名前が覚えられない。
が、赤い実などに構っている場合ではない。急がねばならない。この辺りに共通することだけれど、岩の割れ目が規則正しく南北方向なのだ。どういう力が働いたものなのか、断層なのか、ブラタモリとは言わないけれど、誰かに解説してもらいたいものだ。
いくつかのピークを乗り越えて、途中ちょっと休憩もして、おそらく虚空蔵山へ向かう最後の上り坂と思われる階段を登っていく。
やっと到着、虚空蔵山(592m)。頂上付近は岩だらけ。到着は16時45分。日没まであと45分だ。日没後の残光をあてにすれば、なんとか下山口までは暗くなる前に辿り着きそうだ。
虚空蔵山といえば、頂上よりもこちらの丹波岩のほうが眺望もよく、人気のある場所。ちょっとノンビリしたいけれど、急いで下山しなければ。
森の中、しかも山の東側だけに、暗くなるのは早い。いつでも取り出せるようにヘッドライトをスタンバイさせて、苔むした石がゴロゴロとした急な坂を下っていく。
17時40分、高速道路脇の下山口まで下りてきた。まだ歩くには十分明るい。ここから先は田舎道とはいえ、舗装道を30分ほど歩くばかり。ヘッドライトを使うことなく、JR藍本駅に無事ゴール。
距離7.1㎞、獲得標高602m。道に迷わなければ、という言い訳はあるものの、5時間40分もかかって日没ギリギリの山歩き。朝に所用がありがちなので出発時刻は遅くなりがちとはいえ、体力を顧みない杜撰な計画に反省だ。道迷いもいい加減にしなければならない。