2020年3月1日
猪名川町の大野山(おおやさん)に出かける。猪名川町の観光パンフレットでは、多田銀銅山と並んで大々的に取り上げられているところで、以前から気になっていたところだ。能勢電鉄の過去のハイキングマップに従って歩いてみるこよにしよう。
面白そうなところなんだけど、アクセスが悪くこれまで訪問を躊躇っていた。日生中央駅からのバスは2時間に1本しかない。小一時間の乗車時間の後半30分ほどは他に乗客がいない貸し切り状態だ。
能勢電マップに従って、終点の少し手前の柏原口で下車。予想はしていたけど、な~んもないところだ。日生中央駅で飲み物を買い忘れたのだけど、ここは自販機を期待できるところではなさそうだ。
汗をかく季節ではないとはいえ、飲料なしで山に登るのは少々不安ではあるが、行くしかない。マップによれば1時間余りで頂上に着くはずだし、頂上周辺はアルプスランドというキャンプ場施設にもなっているので飲料補給できるだろう。
しばらく棚田が広がる舗装道を歩いていくと、山王大権現神社が現れる。厳めしい名前の神社だけど、鳥居も傾くなど、お労しい状態だ。ここから本格的な山道となるようだ。
春落ち葉というのだろうか、道にはかなりの落葉が積もっている。前日の雨のせいで、泥濘も多く滑りやすい。
坂道には、先に歩いた人が滑ったような跡がアチコチに見られる。特に最近転ぶことが多くなっていることは自覚しているだけに、歩幅を狭く取りながら、しっかりと足元を確認しながら登っていく。
泥濘ゾーンをクリアすると、続いては倒木ゾーンが現れる。右股関節の古傷が痛み、右足を大きく上げることができないので、連続するハードルには随分と苦労させられる。
1時間ほど山道を登っていくと、突如として舗装された道に出る。頂上近くにあるアルプスランドはすぐそこだ。
アルプスランドのキャンプ場。と思ったら、キャンプ・バーベキューは全面禁止の大きな看板が立っている。悲しいことにゴミを持ち帰らないなど不届きな利用者が多く、ついに閉鎖しまったようだ。幸い飲料自販機は設置されていたので、一息つくことができた。
大野山頂上。標高は753mとさほど高いものではないが、360度パノラマが広がる。風も強い。電波を遮蔽するものがないためか、アマチュア無線で、遠くの知人と通信している人や、さらには実況放送のようなことをしている人までいる。楽しそうなんだけど、正直なことを言えば、ちょっと耳障りだった…。
頂上近くには猪名川天文台(アストロピア)がある。プラネタリウムを見てもいいと思っていたんだけど13時半からの開館には早すぎて中に入ることはできなかった。閉館はなんと21時半。誰でも望遠鏡による天体観測ができるらしい。
誰も使用していないキャンプ場のグランドには動物らしき大小の足跡が多くみられる。この山なら、猪、鹿、兎、狸、さらに熊が居たって不思議ではない。
猪名川の源流、水源地と言われるところに立ち寄る。水の流れが僅かのため、うまく写真が撮れない…。
さあ、いよいよ岩めぐりだ。奇岩、巨岩を見て回ることための遊歩道が整備されている。
大きな岩が露出している尾根道を進む。よく見ると、ところどころに「界」の文字が刻まれた岩がある。どうやら、摂津・丹波両国の国境を示したもののようだ。
大きな岩には、名前が付けられている。例えばこれは「うるし岩」。どうして漆なんだろうか。標札はあるけど、ネーミングの理由がない…。
カメレオン岩。これは何となく分かるような気がする。
岩だらけの道を歩いていく。名前の無い岩に何か名前を付けてあげたいと考えながら進む。が、さすがにちょっと飽きてきたぞ…。
獅子の昼寝。どこから見れば獅子に見えるのだろうか。いろいろ角度を変えてみたけれど、どうもピンと来ない。もっとも代替案も見当たらない…。
太鼓岩。これは納得のネーミングだ。岩場の上で鬼か天狗が叩く太鼓のようだ。
おにぎり岩。苦し紛れの命名の感が強い。しかしネーミングにケチを付けるのは容易だけど、名前が無いと存在感が失われ、認識も区別も難しく、岩の多様性を感じさせることもできない。少々無理をしてでも名前は大切だ。観光資源とするなら猶更のことだ。
岩めぐりを終え、下山する。頂上から360度パノラマだった訳だから、麓からも頂上がよく見える。天文台も
2時間に1本のバスに間に合うよう、歩くペースを調整しながら、柏原バス停までやってきた。帰路もやはり貸し切りでスタートだった。
本日の歩行距離は7㎞ほど。長い時間、電車とバスに揺られてやってきたので、もう少し長く歩かないと勿体なかったなぁ、と思いながら帰路につく。