鉢伏山・明ヶ田尾山(箕面)

2020年3月17日


箕面の森に出かける。箕面大滝から北に向かい、箕面川ダム、箕面市最高峰の鉢伏山、さらに明ヶ田尾山を巡ることにしよう。



箕面の森には縦横無尽にハイキングコースが設置されていて未踏破の道が多い。今日は自然研究路2号線なる道を通ってまず箕面川ダムに向かうことにする。



本来は歩きやすく作られている道なんだろうけど、結構倒木が多くて歩くのに苦労するところが多い。ハイカーも多いところだけに、ちょっと意外だ。



箕面川ダムに到着。貯水量300万トンのダム湖の名前が「ゆうゆうレイク」だなんて、初めて知った。多くの人々に浸透している名前とは思えない。どうして素直に箕面湖にしなかったのだろうか。



ダム湖沿いの道をしばらく歩き、自然研究路7号線に入る。箕面の森には、名前の付いていないハイキング路と自然研究路が混在しているんだけど、この違いが未だに分かっていない。



自然研究のことは別にして、なかなか面白い自然歩道だ。静かな樹木、露出した小岩、静かなせせらぎ。アップダウンも激しいものではない。



ところどころに植物や昆虫の説明板が設置されていることに気づく。なるほど、これがあるから自然研究路なんだろうか? でも説明板はあるからといって、実物に出会えるという訳ではない。


自然研究路7号線の終点は「エキスポ ’90みのおの記念の森」。1990年の鶴見花博を記念して整備された自然公園のようだが、若い世代には何のことかも分らないのではなかろうか。



子供たちの自然学習のための工夫が色々と施されている。公園内には「指令書」という名が付いたクイズを多く見かける。指令書が張り付けられている樹木そのものに関するクイズになっていて、子供たちに樹木を真剣に観察させようとしている。



丘の上には展望台がある。子供たちが喜びそうな、山賊の砦かアジトのような雰囲気だ。大人だって登ってみたくなる。



が、残念なことに通行止。どうやら補修をするようだ。それにしても、「通行止」という日本語はともかく、「ROAD CLOSED」という英語はどうかと思う。直訳としては正しいんだけど、これってROADかぁ?



エキスポ ’90みのおの記念の森の先には自然研究路はなく、いよいよ鉢伏山に向けての山歩きになる。歩き始めてしばらくすると「クマに注意」の文字が目に飛び込んでくる。熊にだけは会いたくないが、鈴を持ってきていない…。



鉢伏山へはさほどの急坂もなく、枯れた樹木のなかをのんびりと歩いていける。



鉢伏山の頂上に到着。仰々しい山頂標識はない。標高は604m。



驚いたことに雪が残っている。一昨日、能勢の剣尾山で1時間ほど季節外れの降雪に見舞われたが、その時のものだろうか。



鉢伏山から更に北へ、明ヶ田尾山(あけだおさん)へ向かう。クヌギだろうか。いやクヌギにしては曲がりくねりすぎとも思える木々に囲まれた道を進む。自然研究路でちゃんと勉強しておけばよかった…。



続いては檜(あるいは杉かも)の林を進む。山歩きを趣味にしているのに檜と杉の違いという基本問題さえ覚束ない。葉を見ると大体区別できるんだけど、葉は高いところにしかない…。幹や樹皮を見るだけでは全く自信が持てない…。陽当たりの悪いところは杉、とも聞いたことがあるけど、これまた曖昧だ。



明ヶ田尾山の山頂。小さな山頂碑があるばかり。眺望もない。標高620mと鉢伏山を少し上回るけど、惜しくも山頂は箕面市を少し外れていて豊能町になるらしい。ということで鉢伏山が箕面市最高峰となる。



同じ道で戻るのを避けて、帰路は梅ケ谷を通っていくことにする。ところが、これがかなりの難路。渓流が流れる谷合なので迷うことはないのだけど、これは道と呼べるものだろうか。



さらに進むと、どこからどう進めばいいのか、判らない状態。倒木を掻き分けるように右に左に進路を変え、渓流まで転落しそうな斜面を滑り落ちるようなことを繰り返す。事故と隣り合わせの状態にいることは間違いない。まさか箕面の森でこんなに危険な状況に陥るとは思ってもみなかった。



おそらく運にも恵まれて、まさに這う這うの体で、無事梅ケ谷を脱出する。明ヶ田尾山に登るまでは呑気なハイキングだったのがウソのようだ。梅ケ谷の出口に、「この先危険、ルート消滅」の注意看板があることに気づく。谷の入り口にもあったのだろうか…。



手持ちの2つのマップ(YAMAPからダウンロードしたものと、2019版の山と高原地図)では、ともに梅ケ谷は「実線」で危険な道とは認識できなかった。道はどんどん変化しているようだ。山歩きは難しい。そして怖い。



梅ケ谷で体力も気力も一気に消耗してしまい、楽に歩ける自動車道横の歩道をトボトボと戻っていく。



ダムの堰堤で、大勢のサルが現れた。餌付けを厳しく禁止して以来、あまり見かけなくなったけど、居るところには居るようだ。身も心もヨレヨレになっていたけど、サルの親子連れには癒された。



何を思うのか、鉄柵の支柱のうえで、じっと考え込んでいるようなサルもいる。サルだって色々と悩みがあるんだろうな。辛いことばかりだけど、お互い頑張ろうな、と無言のエールを送る。



歩行軌跡。大雑把ではあるが、4㎞地点が鉢伏山、6㎞地点が明ヶ田尾山、8㎞地点が梅ケ谷といったところだ。トータル12㎞ほどのウォーキングだったけど、気力・体力の95%は、梅ケ谷の500mで消耗したように思う。