2020年11月13日
六甲山の北側から、これまで歩いたことのない炭ヶ谷を通って石楠花(しゃくなげ)山方面に登ってみたい。最近北神急行から神戸市営地下鉄に移管された谷上駅を出発する。
谷上駅にあるハイキング道の案内板が記憶に残っていたため谷上駅からスタートしたが、登山口まで2㎞近く住宅街を歩き、さらに登山口が見つからずにウロウロして、ようやく石垣の傍に隠れた登山口を発見する。
阪神高速北神戸線の高架下をくぐり、いよいよ本格的な登山路に入る。
左側が炭ヶ谷だろうか。谷沿いの道を伝って少しずつ登っていく。あまりメジャーな登山路ではないだけに、道幅は狭い。
砂防ダムをいくつか越えていく。ダムの堰堤の底を見下ろすと、かなり深い谷であるこtがわかる。
道幅は狭いが、谷への転落を防止するためにガードレールが付いている。六甲山系の登山路でガードレールがある道は他にあっただろうか。
落ちるべき葉はすべて落ちてしまったようだ。葉を付けているのは常緑樹ばかりになっている。
谷の深さが徐々に浅くなり、気が付けば渓流のすぐ近くを歩いてる。一方で道は徐々に荒れてきて歩きにくくなてきた。
登り坂を歩いているのに、ついに谷底を進む道になり、石がゴロゴロした渓流歩きが始まった。水が少ないのが有難い。
水が涸れた谷底の道を登っていく。雨上がりの日なら歩けそうにもない道だ。
双子山への分岐が現れた。登山路からはさほど遠くはないけれど、かなりの急坂になるようで案内標識には「熟練者向き」と書かれている。さすがに自重して、代わりに烏帽子岩を拝みに脇道に逸れる。
どうやらこれが烏帽子岩らしい。確かに烏帽子型だけれど、わざわざ案内標識を出すほどのものだろうか…。何やら古い謂れがあるのだろうか。
烏帽子岩から元の登山路に戻ると、なぜか急に道が良くなった。道幅は広がり、整地までされているようだ。
笹が生い茂る脇道に入って、石楠花山の山頂を目指す。名前が名前だけに記憶に強く残っているのだけれど、山頂への藪道を見る限り、さほどの人気の山ではなさそうだ。
藪をかき分けて石楠花山の山頂にやってきた。標高は652mあるというが、なんだかショボい山頂だぞ。眺望は全くないし、そもそも尖がった山じゃないせいかここが山頂という感じもしない。
山頂碑もなく、黄色いテープに書かれた山名と標高があるだけだ。周囲を見る限り石楠花も見当たらない。
石楠花は見当たらないが、その代わりにマムシ草が生えている。奇妙な植物だとは思ってはいたけれど、マムシ草という名前を知ってからはなんだか気持ち悪く思えてきた。不思議なことに群生しているところは見たことがない。いつもポツンと一本だけが生えている。
石楠花山に続いて天狗岩を目指す。崖の上のちょっと怖い岩場と聞いている。倒木がこの先には進むなと言わんばかりに道を塞いでいるが、それを乗り越えて崖方面を目指す。
崖に突き出たような天狗岩にやってきた。谷上や箕谷方面の町がよく見渡せる。できるだけ崖に近づいたけれど、岩の先端までは怖くて行けない。
天狗岩からさらにみなみに進むと展望台のようなものが見えてきた。さらに南に進んで森林植物園あたりから山田道で谷上に戻るつもりだったのだけれど、あいにく雨が降り出した。
雨雲レーダーを見ると、ちょっとヤバい状況だ。雨が降るなんて聞いてもいなかったけれど、大気の状態が不安定なのだろうか。早々に撤退することを決断する。
面白くないことだけれど来た道を戻る。当然道に迷うはずもないのに、登ってきたときには見たこともない舗装道にやってきた。わずか数十分前に歩いた道を間違ってしまったようだ。あらためて稀代の方向音痴を自覚させられる。
正しい道に戻って、苦労して登ってきた沢の道を下っていく。急いで戻らなければならないけれど、この種の道は登りより下りの方が面倒で時間がかかる。
幸い強い雨に降られることはなく、無事谷上駅に戻ってきた。中途半端な山歩きになってしまったけれど、天気には逆らえない。
今日の歩行軌跡。歩行距離はおよそ9㎞。登山の際にもピストン(単純往復)は極力避けるのだけれど、今回ばかりは仕方ない。