中山~大峰山(宝塚市)

 2020年11月8日


阪急ハイキングのバックナンバーのマップを参考に、宝塚市の中山・大峰山を縦走してみよう。紅葉も楽しめるはずだ。



スタートはJRの中山寺駅。七五三で賑わう中山寺の境内を不似合いなリュック姿で通り抜けて奥の院への道を進む。



せっかく中山寺に詣でたのだから奥の院も、と頑張って登る参拝者をよく見かけるが、いかに整備されているとはいえ、結構厳しい上り坂が続く。準備もなくヒールや革靴で登るには相当厳しい道だ。



夫婦岩。奥の院への参道だけあって、ここに至るまでの道端にも多くの地蔵が見られたけれど、夫婦岩の周囲にも、多くの石積みや地蔵が見られる。



奥の院への道と別れて、中山山頂への道に向かう。ここまで概ね整備された道が続いたけれど、この先は少々荒れた道になるはずだ。



シダに覆われたような粘土質の上り坂を進む。以前雨上がりの日にこの道を下ったことがあるが、随分と滑って苦労したことを思い出す。



中山山頂に到着。標高は478m。すでに大勢のハイカーが山頂で弁当を広げるなどかなりの混雑ぶりだ。あまり落ち着いて座りこむこともできないので、休憩もそこそこに次の大峰山へと向かう。



中山から先は初めての道になる。目指す大峰山はどれだ?おそらく左の木の陰に隠れた山かと思われるけれど、よく判らない。コンパスや地図を駆使しても山座の同定って難しい。アプリもあるけれど満足するには程遠い。まあ、とにかく進むしかない。



左右が切り立った尾根道を進む。それほど深い谷ではないので怖いものではない。左手にはゴルフ場が広がっている。



できれば、中山登頂で稼いだ標高をなるべくキープして大峰山に向かいたいものだけれど、そんな願いも空しく、道は急な坂でどんどん下っていく。



とうとう大きなダムがあるところまで下ってきてしまった。長尾谷ダムだ。このあたりが中山と大峰山との鞍部になるはずだ。



ダムからしばらく歩くと自動車も走る一般道に出てきた。阪急ハイキングでは一般道をしばらく進んだところから大峰山に取りつくことになっているのだけれど、YAMAPを見るとより近道があるようだ。



なんと、一般道の脇にある岩壁が大峰山への近道のようだ。これが登山口だなんて普通では気づかない。よく見るとロープが垂らされている。意を決してロープの助けを借りて岩肌をよじ登っていく。



いきなりの岩登りで面食らったけれど、岩を登ってしまえば、整備された道とはいえないまでも、さほどの難路もない。



中山までの道と異なり、登山者の姿はほとんど見えない。トレースもはっきりしていないので、道を間違えそうなところも多そうだ。何度もYAMAPでルートが正しいことを確認しながら進んでいく。



大峰山の山頂まであと15分ほどというところまで登ってきたとき、4人組のご婦人ハイカーと出会う。いくら歩いても一向に山頂に到着しない。2時間ほども徘徊したけど疲れたので中山方面に帰るという。この先、難しい道ではないはずだけど要注意だ。



不思議なもので、特に間違いそうな分岐点にも出会うことなく、無事標高552mの大峰山の山頂にやってきた。大勢で歩き回ってもみんなが間違うというような魔訶不思議なことが山では起こるものだ。



大峰山からの下山路は覚悟していたとおりの激下り。氷ノ山からの下山時のように滑って転ばないよう、慎重に下りていく。



武田尾近くの桜の園にやってきた。いくつものベンチを円形に並べたような広場がある。どうやら自然学習の講義のためのスペースのようだ。このあたりの木々には丁寧に名前のプレートが貼り付けられている。



武庫川渓谷がよく見える。あらためて山深い渓谷だと感じる。あの川の右岸に沿って何度も歩いた福知山線の廃線が残されている。




桜の園というだけあって自生の桜が多い。これは「エドヒガン五姉妹」。エドヒガンというのは桜のなかでは最も長寿なんだそうだけど、5本のエドヒガンの老木が並んで花を咲かせている姿は圧巻のようだ。



紅葉を楽しみにして中山・大峰山を縦走してきたけれど、皮肉なことに今日最高の紅葉は下山口の親水広場で出会ったモミジだ。



親水公園は福知山線廃線ウォークの終盤に位置している。廃線跡のトンネルを2つ潜りぬけて武田尾駅へと向かう。いつものことながらトンネル歩きはワクワク感が半端ない。



武庫川を横目で眺めながら、JR福知山線の武田尾駅に到着。決して楽な道ではなかったけれど、危険個所もなく、安心して楽しく歩きとおせた。これくらいの山が自分の体力・技術に見合っているように思える。



本日の歩行軌跡。距離は12㎞ほど、累積標高は800m弱だが、ちょうどいい感じの疲労感だ。これくらいが丁度いい。