日笠山連山(高砂市)

2020年11月15日


高砂市の大塩を取り囲む山々、駅前に掲げられたハイキングマップのの右上部に連なる山々が日笠山連山で、ちょうど野路菊が見頃のようだ。不思議なことに大塩の町は姫路市なのだけれど、その周囲の山々は高砂市だ。経緯は判らないけど複雑な市境だ。



山陽電車の大塩駅からスタートしまずは西に進んでいく。振り返るとこれから縦走する日笠山連山が東西に長く連なっている。いつも頼りにしているYAMAPにはこの山域の登山路情報が無いが、これだけ低い山なら何とかなるだろう。



その名も「のじぎく公園」と名付けられた公園には、期待通り野路菊が満開だ。もっともこれは自生のものではなく、丹念に手入れされたものだ。



日笠山連山の西端にある日笠山公園から山に登っていく。山の斜面を埋め尽くす桜で有名な花見スポットだけれど、秋の野路菊も負けず劣らず人気が高い。なんといっても野路菊は兵庫県の県花だ。



日笠山公園から日笠山の山頂に登る。標高は僅か62mだが、瀬戸内海が良く見渡せる。山頂を示す標識を見つけることができず、代わりといっては何だけれど頂上広場にある菅原道真の腰掛石を写真に収める。播磨灘沿岸には道真と神功皇后の遺跡と伝わるものが多い。



日笠山の山頂からようやく山道に入っていく。笹が生い茂って日はあまり差し込まないが、歩きやすく整備されている。



夫婦岩といったものがある。どの岩が夫なのか妻なのか。まあどうでもいいことだけど…。そんなことより登ったり下ったり、おそらく日笠山よりは多少標高の高いところに来ているはずなんだけれど、地図にも現地にも山名を示すものが見られない。



ひとつの山を越えると、すぐ次の山の頂が見えてくるということが繰り返される。低山とはいえ、登りと下りの頻繁な繰り返しは結構しんどいものだ。



山道が十字に交わる馬坂峠にやってきた。ここもたくさんの野路菊が大切に栽培されている。階段を登って更に東に向かっていく。



馬坂峠の階段に、高砂市の「全山縦走ハイキングコース」の標識がある。日笠山連山の縦走のことかと思ったが、帰宅後調べてみると高御位山を含む21㎞ものハイキングコースのようだ。これはかなり大変な道だ。



山道沿いには自生の野路菊が咲いている。公園で丁寧に栽培されている一面の野路菊も見事だけれど、道端でひっそりと花を咲かせている方が野路菊らしい。



大塩山城(別名椿城)跡の看板がポツンと立っている。秀吉の播磨侵攻で落城したという。看板左下の狛犬のような図柄は、大塩氏の家紋なんだそうだが、こんな複雑な家紋などあったのだろうか。ひょっとしてと思って調べてみたけれど、大塩平八郎とは無関係のようだ。



山道は広くはないけれどよく整備されていて、近隣の方々が日常的に散策していることが窺える。ところどころにベンチなども設置されている。



北側の展望が開けるところにやってきた。山陽新幹線や姫路バイパス道路などが眼下に走っている。できればこの後、JRで帰宅したいので北側に下山したいと思っているのだけれど、この先どこにどう道が繋がっているのか、よく判らない。



亀岩にやってきた。山腹に張り出した丸みのある巨岩が麓からは亀の姿に見えるらしい。これから進んでいく西側の山々が見えるが、まだ先は長そうだ。



徐々に道は荒れたものになってきた。それでも勾配のある坂にはロープも設置されていて、ハイカーには優しい道であることには変わりない。



起き上がりの巨木と名付けられた小楢の木がある。北風で倒された木が、その後の南風で再び起き上がったという。木にはその時の写真もぶら下げられている。



イタチ山という山の頂上にやってきた。久しぶりに山名表示を見た気がする。現地の案内板では情報があるのはイタチ山まで。このあたりで下山するのが無難のようだけれど、さらに西に進んでいく。



十字路が現れる。南方面は大塩方面に下りていくとの表示があるが、西と北はどこに続くのかの表示はない。東西縦走をコンプリートするため西に進むが、どんどん道が悪くなり、ついには道と呼べるものが無くなってしまった。



十字路に戻り、今度は北に進んでいく。赤や黄色のテープがあるので、その方向にか細い道を進むが、やはり道は消えてしまい、テープも見当たらなくなった。やむなく再び十字路に戻る。



できれば北のJRの駅に向かいたかったのだけれど、やむなく南の山陽電車方面に下りていくしか無くなってしまった。幸い、南への道は荒れてもおらず、無事下山を済ます。



歩行軌跡には情けない道迷いの軌跡が残されている。東から歩いてきたのだが、十字路でまずは西に進み、続いては北に進み、最後には南へと下りていった。



下りてきたのは大塩駅と的形駅との中間地点。長らく利用していない的形駅に向かう。的形駅には、付近の里山散策の地図が掲示されていた。このあたりの山歩きも楽しそうだ。



本日の歩行軌跡。歩行距離は9㎞ほど。



100m前後の山々の連続とはいえ、登ったり下りたり、ギザギザの標高軌跡になっているのが面白い。