【番外】智頭急行岩木信号所

2020年7月17日 ②

白旗城跡に登るため、JR山陽本線上郡駅から智頭急行に乗り換えて河野原円心駅に向かう。JRのホームの端っこがそのまま智頭急行のホームになっている。



列車は一両編成のワンマンカー。路線バスと同様、後乗りで整理券を受け取り、前降りで料金を支払う仕組みだ。



上郡駅を発車し3~4分ほど走ると、突如「すれ違いのため5分ほど停車します」とのアナウンスが流れる。駅ではないところ、前後はトンネル、横は川という辺鄙な場所に退避線が設けられているのだ。古川信号場というらしい。列車の前方窓から見ていると、やがて特急列車がトンネルから飛び出してきた。



このような待避線は全国でも他に殆ど例がないようだ。上郡の発車時刻を少しずらせば済むようにも思えるけれど、高速化により三セクらしからぬ収益を叩きだす智頭急行ならではの工夫なのだろう。上郡から河野原円心まで2駅間も田舎にも関わらず高架路線だ。



3人いた乗客のうち1人は一駅めの苔縄駅、残り2人は河野原円心で下車。列車は乗客ゼロで北へと向かう。こんな状態でも黒字なのは、JR特急の乗り入れによる収入が大きいからと聞く。ローカル線らしからぬトンネルや高架を多用した高品位軌道が効いている。



ローカル路線ではあるけれど、駅看板には英語、中国語、韓国語も併記されている。車内アナウンスも随分と流暢な英語が流れていた。



他のローカル鉄道と同様、ここでも鉄道むすめを採用している。車掌の宮本えりおというらしいが、ワンマンカーの智頭急行に車掌なんているのか?と思ったのだけど、どうやら特急「スーパーはくと」は智頭急行が列車の保有・運転もしているようだ。



開業の経緯から現在の運営に至るまで、智頭急行は実にユニークな鉄道会社だ。沿線には他にも興味深いスポットも多いので、近いうちにまた乗ることになりそうだ。