岩倉山・譲葉山から白瀬川源流(宝塚)

2020年7月1日

かなり暑くなったとはいえ、低山なら未だ大丈夫そうだ。今日は宝塚から六甲縦走ルートを逆に進み、白瀬川源流を下り逆瀬川に下りるコースを歩くことにする。宝塚歌劇のモニュメントがある阪急宝塚駅からスタートする。



まず目指すのは塩尾寺。六甲山頂からの宝塚までの退屈な六甲縦走路終盤における唯一といっていいランドマークだ。以前六甲縦走路を歩いた際には、塩尾寺から始まる急な下り坂で足腰がガクガクになってしまったのだけど、今日はその坂を上っていく。



塩谷川に沿って西へと進んでいく。六甲山系から流れ出たばかりの川の水は住宅街の中とは思えないほど澄んでいる。



塩尾寺までは車も通ることができる簡易舗装道が続く。確かに坂はキツイし長いけど、かつて六甲山から下りてきた時の記憶とはちょっと違う。同じ道でも上りと下りでは随分と感じ方が違う。



塩尾寺に到着。知らないと「えんぺいじ」と正しく読める人はそうそういないだろう。ベンチもあるので、お参りついでに少し休憩させていただく。



塩尾寺から山は急変する。今日は六甲縦走全18座のうち岩倉山と譲葉山の2座のみで下山する予定なので、六甲縦走路に久々にご挨拶といったところだ。



林の中に随分と古い立て看板が残っている。文体や字体から戦前のものと推察される。途中読めないところも一部あるけれど、「濫リニ林中ニ立入リ・・・・處罰サレルベシ」と書かれた看板は、朽ちてなお威圧感を放っている。



六甲縦走路の東側はひどく抉れた道が続く。眺望も無く、ランドマークも無いうえに、道も悪いので、須磨から宝塚までを歩ききることによる達成感を別にするならば、あまり楽しい道ではない。



おそらく水路化などによる土壌の浸食(歩いたり走ったりする人が多すぎることも一因かもしれない)は、今後ますます進むばかりだろう。かといって、水の逃げ道を作ったり、土や石を大量に運び込むなど、補修は容易ではなさそうだ。



岩倉山の山頂にやってきた。六甲山以東の5つのピークは縦走路とは少し外れたところにあるため、以前ここを歩いた際にはすべて無視して進んだので初登頂ということになる。標高は488m。三角点の横に石積みの祠がある。



「この先展望良」の文字が擦れた標識に導かれて反射板までやってきた。正面には甲山。もう少し天気が良ければ大阪のビル群も良く見えただろう。



岩倉山からもう少し足を延ばして譲葉山に向かう。東六甲では珍しく、周囲に高木が無く空が広がる道を進む。



と思ったのも束の間、すぐに倒木が重なり合う林道に入り、周囲は暗くなる。譲葉山への登り口はこの辺りのはずなんだけど、それらしき道も標識も全く見当たらない…。



藪の中に赤いテープを発見。この種のテープをどこまで頼りにしてよいか未だに判らないのだけど、譲葉山の方向に合致している。思い切って藪漕ぎで進んでいく。



藪を抜けて標高514mの譲葉山頂の標識を発見する。眺望は全くないが頂上を確認しただけで満足して六甲縦走路に戻る。ところが後で調べてみると登頂したのは譲葉山の東峰であったと判明。近くにさらに高い西峰、中峰、北峰があったようだ。ややこしいことだ。



六甲縦走路を岩倉山近くまで戻り、逆瀬川方面に下山していく。あまりメジャーな道ではないのかもしれないけれど、坂も緩やかで歩きやすい道だ。



いよいよ白瀬川源流口にやってきた。逆瀬川から武庫川に流れ込む川の沢歩きが楽しめると聞く道だ。



源流を右へ左へと渡渉を繰り返しながら沢を下っていく。爽やかな風と涼やかなせせらぎを楽しみながら、快適に緑の中を歩いていく。



それにしてもカメラが悪いのか、設定が悪いのかはわからないけれど、濁りなく澄み切った川の流れが泥のようにしか映っていない。残念だ。



住宅街も近づき、源流歩きも最終盤と思われたところに堰堤を下るほぼ垂直の崖が現れた。ロープは設置されているとはいえ、この種の絶壁は上るより下る方が怖い。



山から下りてきたところに幅400mほどにも広がる巨大集合住宅が、まるで万里の長城を思わせるような威容を誇っている。



宝塚ゴルフ倶楽部の横を通って阪急逆瀬川駅に向かう。



住宅街の真ん中を貫いている逆瀬川。先ほどまで歩いてきた白瀬川もこの川に合流しているはずだ。



阪急逆瀬川駅。以前から気になっているのだけれど、この辺りには英語表記オンリーの道路案内標識がある。近くに日本語看板は無い。特に観光客や外国人居住者が多い地域とも思えないんだけど、何を狙っているのだろうか…。



本日の頬工軌跡。歩行距離は9㎞と短めだけれど、なかなか面白いコースだった。