2020年10月25日
西脇市の白山・妙見山を巡るトレッキングコースに出かける。どちらもよくある名前の山だが、特に妙見山は能勢、多可、養父、さらには神戸市内や淡路島など、兵庫県内に多数見られる。いずれも北極星を神格化した妙見信仰の霊山なのだろう。
西脇市北部の黒田庄にある大歳神社への参道の階段が白山への登山コースの入口になっている。
多くの登山者が訪れる山ではないようだけど、細いながらも初心者でも問題の無さそうな登山道が整備されており、手作りの簡単なものではあるけれど必要十分な案内標識も設置されている。
シダで道が半ば覆われているようなところもあるが、路面を確認しながら歩ける程度だ。登り坂が続くが、息切れして立ち止まるようなものでもない。それにしても人の気配が全く無い。
あまり高木がないので、空が開けているのがいい。適当に岩場もあったりして、気分良く歩いて行ける。いい山だと思う。ただ、道に変化はあるんだけれど、これといったポイントも無く、この山ならではの特徴も見当たらず、ちょっと退屈な気分も感じてしまう。
登っていくにつれてシダの茂みはさらに深くなり胸の高さくらいになる。左側が谷になっているので、路肩の位置と緩み具合をしっかりと確かめながら藪漕ぎしていく。
眺望がひらけるポイントもいくつかある。先日訪問した日本へそ公園の方向だと思うんだけれど、どこがどこなのか、よく判らない…。
あれが白山の山頂か?と思わせるようなピークが現れるが、進んでいくとまた新しいピークが現れるということを繰り返す。
登り始めて1時間40分ほどだけど、随分と長い時間登り続けているような気分だ。体調が悪いのか、道が退屈なのかは判らないけれど。山頂に向けて最後の岩場を攀じ登っていく。
白山の山頂に到達。ゴツゴツした岩場の上に標高510mの山頂碑が立っている。予想以上に疲れたけれど、まだ今日予定している行程の3割ほどでしかない…。大丈夫かぁ?
白山山頂で少し休憩した後、雑木林のなかを抜けて白山から妙見山へと向かう。ここに来るまで誰一人とも出会わず、おそらく今日この山に入っているのは自分ひとりだと思っていたところで、一人のハイカーとすれ違ってドキッとしてしまう。
しばらく歩いていくと雑木林は杉林へと変わる。白山より標高が高い妙見山に向かっているのに、下り坂が多いのが恨めしい。
妙見山の山頂の手前にある十字路までやってきた。ここから直接妙見山の山頂を目指すこともできるのだけれど、頑張って予定通り周遊コースを歩いてから山頂に向かうことにする。
周遊コースは、ここまで歩いてきた道よりさらに寂しい道。落葉がうず高く積もっている。
妙見堂。最近建て直されたもののようだ。妙見菩薩をお祀りしているようだけど、扉は閉ざされている。以前は7月の丑の日には、地元の人々が牛を連れてお参りしていたらしい。真夏にこんなところまで連れて来られるなんて牛にとっては大迷惑だったことだろう。
周遊コースという名前からもっと呑気に歩ける道だと思っていたのだけれど、しんどい道が続き、疲れがさらに溜まっていく。やめときゃ良かった…。
周遊コースをグルっと一回りして、とても小さな祠と鳥居が据えられていた妙見山の山頂にようやく到着。標高621mだけれど眺望は無い。
妙見山の山頂から十字路まで下りて行く道が激下り。一体どこを歩いていけば安全なのか、へっぴり腰になりながら下っていく。
十字路を過ぎ、立派な杉林のなかの谷道を黒田庄に向けて下山していく
山に登り始めたのが遅かったので、ここで既に14時半。西からの太陽の光が杉林を通して目に眩しい。杉の木が西陽でキラキラと輝いているのが美しかったのだけれど、写真ではうまく撮れていない。
下山口の鹿除けフェンスにクマ出没注意の看板が掲げられている。大歳神社の登山口では見かけなかったように思うけど…。熊鈴もつけずに、山中で4時間以上もほぼ一人っきりだったけど、無事に下山できて良かった。
黒田庄は黒田官兵衛の出身地だとの説もあったりするようで、黒田家と所縁が深いと言われる荘厳寺にちょっと立ち寄る。黒田官兵衛の名前が登場する古い家系図が残されていて、公開もされていた。
農家のおばさんと少し立ち話をする。鹿による被害が大きいと嘆いておられた。確かに畑には鹿の足跡がしっかりと残っている。
瀧尾神社の鳥居の先に見えるのは、おそらく白山だ。軽めの登山のつもりだったけど、しっかりと疲れてしまい、重い足取りで帰路につく。
歩行距離は11㎞ほど。山歩きと言えるのは、そのうちの8㎞くらい。