天滝(養父市)

 2020年10月30日 ③


シワガラの滝、猿尾滝に続き、本日3つめの滝、養父市の天滝を訪問する。ここはちょっとしたハイキングコースになっているようで、1.2㎞先の天滝までの標高差は約200m、所用時間は40分と案内されている。時刻は間もなく16時だ。しかも小雨が降っている。



山の日暮れが早いのは判っているが、左手にビニール傘、右手に登山口にあったお助け杖(スキーのストック)、頭はヘッドライト、という不格好な出で立ちで渓流沿いの山道を登り始める。すれ違う人達からの、その恰好で今から行くのぉ?という冷たい視線を感じる。



道はどんどんと登っていく。歩き始めたときには道の横にあった渓流が随分と下に見えるようになった。なかなかの景色が続くけど、とにかく先を急ぐ。できれば17時には下山したい。



が、油断できない道が続く、しっかりと柵もあって、注意すれば何ともない道なんだけれど、このように急いでいるときこそ心に隙が生じるものだ。それにシワガラの滝から始まった滝巡りで、足腰にも結構疲れが溜まっているはずだ。



目的の天滝までの間にも、大小の滝がいくつもあるのだけれど、ちらりと横眼で確認するだけで先を急ぐ。



滑落注意の標識がやけに多い。ただでも路面が濡れていて滑りやすいが、この季節の濡れ落ち葉はさらに要注意だ。



急な下り道もある。写真で見返すと結構危なっかしいところに見えるんだけれど、実際は通常ならばそれほど危ないものとは感じないレベルだったはずだ。でもこんな時にこそ事故は起きるものだと何度も自分に言い聞かせて緊張感を保ち続ける。



自分なりの最大スピードで歩き続ける。油断できない坂道や橋などが続くが、さほどの急坂もなく、息切れするほどのことはない。



天滝の前衛滝群の最後になる鼓が滝が現れた。あと一息、のはずが、ここから延々と登り階段が続く。



階段で息があがりそうになったが、所要時間30分弱で天滝を望む展望台まで登りきることができた。想像以上に大きな滝で、携帯カメラを思いっきり広角にしてもフレームに収まりきらない…。



角度を変えて見るとさらに滝の水流の勢いが感じ取れる。パンフレットには紅葉を背にした滝が掲載されているが、残念ながら未だ色づき始めたばかりのようだ。11月3日には「天滝もみじ祭り」が予定されているようだけど、大丈夫かぁ?



滝の下部の水が幾筋にも分かれて落下していく様が特に美しい。滝を巡って思うことだけど、静止画では滝のダイナミックさを再現するのに限界があるなぁ…。実際の滝は写真の何十倍も荒々しく力感に溢れている。



展望台での滞在時間は5分ほどと僅かだったけど、天滝の力強さと美しさを満喫して16時半に下山する。日暮れまでは十分下山できそうだ。足元に注意しながら滝を後にする。



1日でシワガラの滝、猿尾滝、天滝と但馬地方の名高い滝を3つ巡る強行スケジュールをこなし満足感は高いものの、この地域には霧ヶ滝や猿壺滝など訪問できなかった名瀑はまだまだ多い。いつか再訪したいものだ。