いなみ野ため池ミュージアム(加古川市&稲美町)

2020年8月22日


加古川市の寺田池に出かける。周囲に遊歩道や緑地が整備されていてウォーキング愛好家からの評価の高いところだ。全国21万を超えるため池のなかから「全国ため池100選」にも選ばれている。



JR神戸線では数少ない未訪問の駅、東加古川駅からスタート。意外なまでに立派な駅舎でロータリーも美しく整備されている。



ロータリーの出口に早速寺田池への案内標識がある。これなら迷うことなくスムースに歩いていけるはずだ。



と思っていたら、どこかで標識を見落としたのだろうか。大学の広い敷地が池畔へのアプローチを阻む。田んぼの畦道を伝って、なんとか池に向かおうと思うが思う方向に進めない…。



田んぼが広がるなかに、古い欅や柿などの木がところどころに残っている。道標となるとともに木陰を提供ながらこの地を見守ってきた大樹を、地域の人たちも大切にしてきたのだろう。



スマホの発熱を少しでも避けるため地図ソフトも立ち上げず、畦道を彷徨う。田んぼのなかに入ると土手が低いせいかどちらに池があるのか、思いのほか判らないものだ。ようやく稲穂が揺れる向こうに広がる池を見つける。



遠回りをして寺田池に辿り着いた時は、既に汗ビッショリ。しかも池の正面入口にある神社を目指していたはずが、180度もずれた対岸にやってきたようだ。



池は夥しい藻や蓮が繁茂し、水面が見えないほどになっている。



池の畔に「いなみ野ため池ミュージアム」の看板が見える。ため池が集中する東播磨地域のひとつひとつの池を展示物、ため池群全体を博物館と見立てて、地域づくりと自然保護に取り組んでいるそうだ。



明神の森と呼ばれる林道にやってきた。陽射しが木々に遮られるうえに、いい風が吹く。道は綺麗に掃き清められている。蝉の声が煩いことが難点だけれど、池の畔の日陰に据えられたベンチに長々と座り込む。



とにかく蝉が多い。ソーシャルディスタンスなどまるで気にせず一本の木に何匹もの蝉が群がっている。



カメラを30㎝くらいまで近づけてもこ蝉は全く動じない。こんなドアップで蝉の写真が撮れるとは思わなかった。危機意識が低いのか、鈍感なのか、あるいはこちらに害意が無いことを見抜いているのか、樹液を吸うことに専念しているようだ。



居心地の良い東屋などもある。池の周囲をジョギングしたりウォーキングしている人だけではなく、ベンチでのんびりと本などを読んでいる人もいる。風と木陰のおかげで、日向と比べて気温は何度も低いように思える。



池を半周して、池の正面にある五社大神社にやってきた。池の畔に広がる涼しい林はこの神社の鎮守の森のような存在のようだ。



さらに池を周回し、直線状の土手にやってきた。土手のすぐ向こう側には住宅街が広がる。



調べてみると、堤の高さが15mを超えるとダム、それ以下だとため池ということになるらしい。見たところ堤の高さは10m弱くらい。ダムであれば堰堤、ため池であれば土手ということになるのだろうか。



それにしても土手の上の道には、まるで陽射しを遮るものがない。明神の森での休憩で多少は回復したエネルギーが一気に消耗される。



魚釣り禁止のボードが立っている。注目すべきは、英語表記。一般的なNo Fishingではなく、No Angling になっている。やるな、と思わせる一方で、多くの日本人は首を傾げるのではないかとも思ったりもする。



寺田池一周を終え、当て所もなく歩いていく。気が付かぬ間に稲美町に入っていた。稲美町と加古川市のマンホールデザインって似てるんだようなぁ…。稲美(上)がコスモスで、加古川(下)がツツジだ。



道端にはコスモスの花がチラホラと見える。稲美には大きなコスモス畑があると聞くけど、どこにあるのだろうか。稲美町って、電車の駅はないし、高速道路のICもないところだけに、どうしても訪問する機会が少ない。



ため池ミュージアム巡りをするつもりでは無かったのだけど、歩いていればため池にぶつかる。特に行く当てもないので、手当たり次第にため池を見て回る。



確かにそれぞれのため池に違う風景がある。ここはゴルフ練習場になっている。池に浮く特別なボールを使用しているはずだ。



中一色というところに出てきた。最寄の駅までは3㎞以上ありそうだ。もう歩く気にもなれず、30分以上もボンヤリとバスを待つ。



本日の歩行軌跡。不甲斐ないことだけど、わずか7㎞半でノックアウトだ。